【助産師監修】出産に必要なものリスト!入院時・出産後のアイテムを紹介

出産に際して用意すべき品物は多種多様であるうえ、調べてみるとさまざまな便利グッズやアイテムがあり、どれがいいのか迷ってしまうものです。この記事では出産に必要な物や、それらを上手に準備するコツやポイントをご紹介します。

最初に出産時の準備についてポイントを整理していきましょう。
出産や退院後に向けて用意するものは多種多様ですが、コツの一つとしては入院・出産・産後と分けながらリスト化し、妊娠中から用意することです。また、赤ちゃんに必要なもの、ママに必要なものを分けて準備するのも、整理しやすいでしょう。

陣痛が始まったらタイミングを見て、病院などの分娩施設に向かいます。その際の持ち物は、できるだけ少なくするのがポイントです。
陣痛は必ずしも誰かと一緒にいるときに始まるわけではなく、一人で移動する可能性もあります。そのため、陣痛時用のバッグと入院用のバッグを分けて用意しておくことをおすすめします。入院用のバッグは旦那さんに後からもってきてもらうよう、お2人で決めておきましょう。

もう一つのポイントは、できればご夫婦2人で、準備をすることです。
バッグに必要なアイテムを詰める作業自体が大切なプロセスであり、心の準備を整える助けにもなります。
2人でパッキングをすることで、お互いの役割やサポート方法を確認しあうこともできます。準備が整っていること、お互いがそれを把握できていることで、出産の際の余計なストレスや焦りを軽減することができるでしょう。

入院時に必要なもの

次に、出産時や入院時に必要なものについて見ていきましょう。分娩施設でも準備していることが多いので、健診中に確認しておきましょう。

書類関係

書類関係を一覧にしました。入院時にもっていくもの、役所などの届け出に必要なものを分けて整理しておきましょう。

母子健康手帳出産時や入院時に必要な重要な書類。医療機関での受診や妊娠中の情報が記載されています。
健康保険証入院時には健康保険証が必要です。健康保険証を提示することで、医療費の支払いがスムーズになります。
予約証や入院予定の書類あらかじめ医療機関で入院の予約をしている場合や、入院予定の書類がある場合は、持参する必要があります。記入モレがないよう気を付けましょう。
診察券分娩施設でのカルテなどの準備がスムーズとなるため、出産時にも診察券は必ず持っていくようにしましょう。
バースプラン分娩時の希望を伝えやすくするためのものです。出産時にいきなり持っていくのではなく、あらかじめ分娩施設に希望があることを伝え、提出の仕方などを相談しておきましょう。あらかじめ提出していたとしても、控えを用意しておいたほうが安心です。
出産育児一時金
関連書類
出産の際に必要な費用の一部を支給する制度です。出産での経済的負担を軽減するため設けられています。
決められた期間内に役所に提出する必要があるため、旦那さんが主体となって準備し、提出するのがおすすめです。

衣類・履物

出産時には、一般的には以下の用意が必要です。これらは陣痛用のバッグに入れておきましょう。基本的には分娩施設の指示に従い、不明点は施設に質問してくださいね。

マタニティパジャマ出産時や産後に着用します。前開きのものがカンガルーケアや授乳をしやすいのでおすすめです。施設によっては準備があることも。
産褥ショーツ陣痛中にも産後にも使います。陣痛中は出血や破水が、産後はオロがあるので、洗濯しやすいものを3~5枚は用意しましょう。自身でパッドを交換できないときにも対応できるように全開できるものを準備します。
腹巻き陣痛中、お腹を温めるために着用します。
靴下・レッグウォーマー陣痛中も使用するので、出血や破水で汚れてもよいものを準備しましょう。
室内履き・スリッパ分娩施設で準備がない場合は必要です。産後はむくみが強く出ることも多いため、大きめのものが安心。

飲食物

分娩中は水分をこまめに摂りましょう。水やスポーツドリンク、氷や氷水、摂れるのであればフルーツなどでの水分補給が効果的です。
また、もちろんエネルギー補給も大切なので、軽食として、フルーツやゼリー飲料などを用意しておくとよいでしょう。これらも陣痛用のバッグに入れておきます。
ただ、用意しておいても使えない場合もあるほか、分娩施設の指示がある場合はそれに従ってください。

飲み物ペットボトルにストローをつけて使用される方が多い。水やスポーツドリンクなどお好みのものを準備しましょう。
ゼリー飲料簡単にカロリーを取れるものを準備しておくとよいでしょう。
おにぎり入院のタイミングによっては次の食事まで時間が空くことも。食べらるのであればしっかり食事をとるほうがお産が進みます。

洗面用具

陣痛中にも、破水がなければシャワーや足浴などで体を温めることもあります。必要に応じてバスタオルも陣痛用のバッグに入れておきましょう。
出産後には母体の状況にもよりますが、シャワーを使えます。入浴グッズが分娩施設にない場合は、これらを用意することもできます。入浴グッズは入院用のバッグに入れておけばよいでしょう。

ハンドタオル陣痛中は汗を多くかきます。枕など、顔を埋める際に敷くことが多くあります。
フェイスタオル首に巻いて使用することが多いです。
リップクリーム口呼吸になり、乾燥しやすいので必須です。

雑貨

そのほか、自身が陣痛中に「これがあったら落ち着く、リラックスできる」と思うものを用意しておきましょう。
これまでですと、アロマ・ぬいぐるみ・推しの写真やCD・DVDなどをお持ち込みになった方がいらっしゃいました。

イヤホン集中したい方や相部屋のときに使用することがある。
延長コード充電中もベッドなど、手元で操作したい場合に重宝する。
充電器・モバイルバッテリー家族への連絡は自身でおこなう施設がほとんど。充電切れにならないようにする。
モバイルWi-Fiルーター長期入院が予想される場合にはお持ちになる方も。もしくはその期間だけ、プランを見直ししておく。

出産後のママに必要なもの

次に入院用のバッグに用意しておくものを紹介します。
出産後に必要なものに関しては、面会OKであればあとから追加することも可能です。入院用のバッグには最低限の準備だけにして、あまり大きな荷物にならないように整えましょう。

衣類

陣痛用バッグに入れていたものに加えて、入院中に必要なものを持っていきます。

産褥ブラ慣れないうちは、乳房全体が露出される前開きタイプがおすすめ。
着圧ソックス産後はむくみが強く出ることもあるので必要時に着用します。
産褥パッド分娩施設でもらえることが多いですが、不足することもあるため用意が必要か確認しておきましょう。
母乳パッド入院時から必要になるケースはほとんどないので、必要になってから用意するのでもよいでしょう。

小さめのカバンやポーチ

診察室やトイレ、シャワー室、または授乳室など、産後、入院している部屋から移動する機会が多くあります。また、赤ちゃんと一緒に移動することも多いため、できるだけ身軽に動けると便利です。
ポケットのあるパジャマであれば問題ないかもしれませんが、貴重品を入れられたり、産褥パッドをしまえるポーチや小さめの鞄があると非常に重宝します。こちらも分娩施設によっては準備があるところもあるので、妊娠中に確認しておきましょう。

退院時のママの洋服

入院時は比較的夜間帯であることが多く、パジャマでのご入院となるケースや出産の際に入院時の洋服は汚れてしまっていることもあります。退院時に着るママの服も入院用バッグに用意しておきましょう。
施設によっては退院時に写真撮影があったり、そうでなくても、記念に写真を撮る方も多くいます。ママもお気に入りの服で退院を迎え、写真撮影ができれば嬉しいですね。
入院前に旦那さんや家族と、退院時の服装についても共有しておければ、あとから持ってきてもらうこともできます。

ケアアイテム

ママも赤ちゃんも不慣れな出産直後は、授乳の際に傷ができたり、皮むけのような状態になることもあります。
こうした授乳の痛みへの不安から、乳頭ケアクリームなどを用意する方も多いようです。
ただ、入院中は正しい授乳方法を覚え、何回も練習する大切な時期です。
ママ、赤ちゃんともに授乳に慣れていくことで痛みは必ず落ち着いてきますので、無理に自分でケアしようとせず、分娩施設のスタッフにも助けてもらってください。適切な授乳方法のアドバイスをもらいましょう。

出産後に赤ちゃんのために必要なもの

次に赤ちゃんのために必要なものを整理していきましょう。
分娩施設から「これを用意してください」と指定があった物以外は、入院中や退院後に用意できます。あまり多く準備し過ぎず、最低限の準備をおこなうにとどめておくのがおすすめです。

赤ちゃんの衣類

赤ちゃんの衣類は、季節によって、また洗濯の頻度によってもかなり枚数に差は出てくるものです。また、赤ちゃんの体型によってもサイズのあう、あわないが出てくる可能性もあります(余談ですが、推定体重はおおよそ±20%の差があるそうです)。
そのため、あまりたくさんの枚数を買い過ぎず、赤ちゃんの顔を見てから、必要に応じて買い足しをしましょう。準備としてはどこで購入できるかを把握しておけばよいでしょう。

短・長肌着3〜5枚
ベビードレス(コンビ・ロンパース)3〜5枚
ガーゼ5枚以上

授乳アイテム

母乳育児メインでいくのか、ミルク育児メインでいくのか、混合で行くのかによっても準備するものや数が異なります。また希望どおりにいかないことも多々あるほか、分娩施設で使用していた哺乳瓶や乳首のほうが赤ちゃんにとって飲みやすく、買い直すといったこともあるでしょう。
授乳アイテムの準備も、赤ちゃんの様子を見てから家族に買いに行ってもらったり、退院にあわせてネットショッピングで用意すれば十分だと思います。
また購入の際には、赤ちゃんの成長にあわせてサイズアップしやすいものを検討されるのをおすすめします。

お風呂グッズ

多くのものが出産後の購入で間にあいますが、赤ちゃんの寝る場所とお風呂の準備だけは、必ず出産前に検討し、準備しましょう。
誰がどこで沐浴をおこなう予定かによって、必要となるものも変わってきます。場所と人を考えて、それにあった準備を考えましょう。ベビーバスだけでなく、洗面台を使用して沐浴するなど、ものを買わない選択をすることも可能です。
また、慣れない間は湯温計、泡立ての手間が省けるのでポンプ式のボディソープがあると便利です。

オムツ・おしり拭き

紙おむつはまとめ買いをして失敗した、という方が非常に多いアイテムの1つです。前述したとおり、出生児の体重によってあう、あわないがあるだけではなく、その子の体型によってもフィットするものが異なることがあります。同じサイズであったとしても、このメーカーだと漏れてしまう、このメーカーだと肌荒れしやすい、といったことがあるからです。
あっという間に成長していく時期でもありますので、あまり多く準備しすぎずにその時々であったおむつを選びましょう。
また、お尻拭きに関しても大きさや薄さなどメーカーによってさまざまですので、実際に使用してから使いやすいものを選ぶのがおすすめです。

お出かけ関係

生後1カ月程度は積極的な外出はおこなわないとは思いますが、退院後からでもベビーシートは必要になります。
設置方法含め、妊娠中に必ず購入し、準備しておきましょう。また、おくるみやクーファン、抱っこ紐、ベビーカーなどは、外出の頻度や移動方法によっても必要となる時期や種類が異なるでしょう。
最終決定は体調が落ち着かれ、赤ちゃんを実際に抱っこしてからで問題ありません。妊娠中には、どれがよいか候補を考えておきましょう。

出産に必要なものリスト

以下に、出産に必要な物をリストにしました。
出産準備をイメージしながら確認していきましょう。

・赤ちゃんの衣類
短・長肌着3〜5枚
ベビードレス(コンビ・ロンパース) 3〜5枚
ガーゼ5枚以上

・授乳アイテム
哺乳びん
哺乳びん用洗剤
授乳クッション
今後サイズアップしていった際にも使用しやすいものを購入する。

・お風呂グッズ
湯温計
ベビーバス
※洗面台を使用して沐浴するなど、ものを買わない選択をすることも可能。

・ケアアイテム
ウェットティッシュ
紙おむつ
※あまり多く準備しすぎずにその時々であったおむつを選ぶ。

・お出かけ関係
ベビーシート
チャイルドシート
おくるみ
抱っこ紐
ベビーカー
※妊娠中にどれがよいか候補を考えておく。

出産に必要な費用とは

妊娠から出産までにかかる費用は、出産準備品を含めると平均70万円にもなるといわれています。出産は病気ではないため医療保険が使用できないことがほとんどですが、たとえば切迫早産や帝王切開での出産の場合、保険金が下りる場合もあるので確認してみましょう。また、赤ちゃんに使うものなので安全なものを、オーガニック製のものを、とさまざまなこだわりがあるかと思います。家族で話しあい、どこにお金をかけるか、あるいはレンタルやフリマサイトなどを利用したり、セールなどのタイミングを見て購入するなども検討してみましょう。

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まとめ

出産や入院に必要なものは、大体の場合、準備が不十分なケースよりもたくさん準備しすぎるケースが多くなります。まずは心地よく出産するために、最低限必要なものの準備をしましょう。分娩施設の設備も確認しながらおこなうとよいでしょう。
産後の準備はあとからでも問題ないものも多いため、あまり心配して多く準備しすぎずに、下調べ程度に留めておくと本当に必要なものだけの準備ができるかと思います。

執筆者紹介

山口百合乃

地域周産期センター、総合病院、個人クリニックと大小様々な病院で約2000件の分娩に立ち会い、約400件の分娩介助に携わる
現在はゆりの助産院を開業し、オンラインと訪問型の助産院の院長として活動中。「人とちがって当たり前!生きてりゃOK」のマインドで、正解を探しすぎず、楽しく妊娠・出産・育児ができるように地域や企業でママパパへ向けた活動を行っている。3児の母。

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