【専門家執筆】カジュアルな顔合わせの流れまとめ! 挨拶、服装までも徹底解説

「顔合わせ」とは結婚する当人たちと両親や家族が一堂に会し、親睦を深めるものです。料亭や個室でおこなうイメージがありますが、自宅やカジュアルな飲食店でおこなっても問題なく、近年ではこういったカジュアルな形も増えています。今回はカジュアルな顔合わせについて、当日の流れや、会場、食事の選び方、事前に確認すべきポイントについて紹介します。

約80%が「顔合わせ」のみ

「顔合わせ」は、結婚前に両家が集まって親睦を深めるものです。かつては婚約の証として「結納品」や「結納金」を男性側が女性側に送る「結納」が一般的でしたが、現在では格式ばった結納を省いて、顔合わせのみをおこなうケースが多くなっています。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」によれば、顔合わせのみおこなったと回答した人は約80%、結納と顔合わせをおこなったのは約7%との結果でした。結納を省く理由としては、「堅苦しいことは避けたかったから」「古いしきたりにお金を使うのがもったいないから」「両家の実家が遠くて複数回集まるのが大変だったから」などをあげる人が多いようです。

当人たちが申し出るとスムーズ

「これから親戚になるのだから、もっと親睦を深められる会にしたい」という気持ちから、結納をしないのはもちろんのこと、顔合わせも、より気軽でカジュアルな形でおこなうカップルも増えてきました。顔合わせというと、料亭や高級レストランなどでおこなうイメージがありますが、確かにかしこまった席では緊張してしまい、お互いの人柄を理解し合うのは難しいかもしれませんね。
そもそも顔合わせは、会場の格式や手順を守っているかといった形式的なことよりも、「結婚相手や相手の家族が、自分たちの子どもを大切にしようとしている気持ち」が伝わることが大切です。こうした顔合わせの本来の目的を忘れないのであれば、カジュアルなスタイルでも全く問題ありません。「当人同士が話しあって決めた」あるいは「女性側の両親がカジュアルな顔合わせでよい」と申し出ると、よりスムーズに顔合わせの準備を進めることができます。

カジュアルな顔合わせ当日の流れ

顔合わせは結婚する当人たちが主導して、準備を進めるとよいでしょう。ここでは集合から着席、挨拶(始め方)、両家の紹介、締め方についてそれぞれのポイントを解説します。

集合から着席まで

実は意外と注意が必要なのが「集合」です。いくらカジュアルで気軽に、といっても「現地集合現地解散」形式はおすすめしません。結婚する当人たちよりも両親が先に到着してしまった場合、気まずさを感じたり、戸惑わせたりさせてしまうこともあります。気持ちよくスタートできるよう、集合から着席までしっかり段取りを決めておきましょう。

混乱や失敗を避けるには、結婚する当人それぞれが、それぞれの家族と会場以外の場所で集合するとよいでしょう。集合場所としては駅前の喫茶店など、外気を避け、座って待てる場所だと安心です。会場がカジュアルな店の場合には、店に到着後すぐに席に通されてしまうため、当人たちがそれぞれの家族を連れた上で落ち合い、全員でそろって店に入るのが理想的です。
着席に関しても、「女性側の両親から着席する」「先に入った家族の両親が上座に座る」など事前に決めておき、それぞれの両親を各人が案内するのがコツです。

始まりの挨拶

カジュアルな顔合わせであれば、結婚する当人たちが「私たちのために集まってくれてありがとうございます」と始まりの挨拶をするとよいでしょう。
もう少しフォーマルな雰囲気を求めるのであれば、男性側の父親に挨拶をお願いしておきましょう。そのことで「家と家の顔合わせ」「結婚の約束を両家にお披露目」といった改まった意味あいを意識しやすくなるでしょう。
誰が挨拶をするにしても、婚約が決まって嬉しい気持ちやこれから結婚に向けて準備が始まること、また今回の顔合わせを両家の交流の場にしたいことなどをはっきり述べるとよいですね。

両家の紹介

挨拶の次には、結婚する当人たちからそれぞれの両親を紹介するのがおすすめです。紹介の際には準備しておいた文章を読むなど、事前に準備してきたことを見せることで誠実さを伝えることができます。
家族を前にすると照れくささや緊張で、考えていたとおりに話せずアドリブになってしまいがちなので注意しましょう。笑い話になる失敗談もありますが、アドリブでの紹介は後悔のもと。また両家の紹介のボリュームもだいたい同じ量になるよう合わせておきましょう。

食事

乾杯の発声は、両家の誰かにお願いすることになりますが、両家のバランスや性格を考慮する必要があります。人選が難しい場合には、結婚する当人たちが声を揃えて「乾杯!」と言ってもよいでしょう。乾杯することで、なんとなく食事を始めるのではなく、メリハリをつけることができます。
食事の内容については、事前に「アルコールが好きか」「苦手な食材があるか」といったことを出席者各人に確認しておきます。また、食事中の話題になるように、しおりや質問カードなどを用意しておくのもおすすめです。

「締め」の挨拶

カジュアルな顔合わせで意外と難しいのが「締め」です。事前に締めの段取りを決めておかないと、気を遣いあってなかなか解散できず、“尻すぼみ”で終わってしまいがちです。
「よい会だった」といった印象をつけるためにも、どのように締めくくるのか、よくシミュレーションし、2人で相談しておきましょう。締めでは長いスピーチは控え、顔合わせのお礼と「これからよろしくお願いします」といったシンプルなものにするとよいでしょう。また、集合写真を撮ったり、お互いの両親にお土産を渡すといった“席を立つ”きっかけを用意しておくと“お開き”がスムーズになり、後味もよくなります。

顔合わせまでに決めること

顔合わせはお互いの第一印象を決めることにもなるため、入念に準備を行い、当日は慎重に振る舞っておきたいところです。最初に信頼や親しみを得られると、その後の義家族とのお付きあいがスムーズになります。
顔合わせについて2人で相談するにあたっては、仕事のプロジェクトのようなつもりで検討することをおすすめします。親族が入ることで調整すべき事柄が増えるため、計画的に準備を進めないとあっという間に時間切れになってしまいます。

ヒアリング

まずはそれぞれの家族・親族の意向をヒアリングしましょう。両家それぞれに「顔合わせとはこのようなもの・こうあるべき」といった考えがあります。「うちは話しあわなくても大丈夫」などといった思い込みは禁物です。ただし、親や家族の希望を叶えることが顔合わせの目的ではありません。ヒアリングした上で2人の希望を伝え、家族から理解を得られるよう話しあう誠実な姿勢を見せることがポイントになります。

日程

本来、顔合わせは婚約のタイミングでおこなうものです。しかし最近では入籍後に顔合わせをおこなうカップルも珍しくありません。まずはそれぞれの両親の意向を確認し、一同が集まりやすい時期を決めます。
顔合わせの日程について、大安や友引などの日柄を気にする場合には早めの予約が必要です。予約が取れなかったことが原因で、顔合わせが希望の日程でおこなえないことを、快く思わない家族がいる可能性もあります。

服装

カジュアルな顔合わせの場合には、朝早くからの支度が必要であったり、窮屈で疲れてしまうような装いは必要ありません。結婚を祝い、互いの親族に敬意を示し、「この日を楽しみにしていた」といった気持ちが伝わる服装を選びましょう。
注意点としては、顔合わせでは座っている時間が長いので、タイトな服装よりもゆとりのある服装がおすすめです。さらに、配慮しておきたいのは両家のバランスです。両家で服装に大きな差があると気まずいもの。カジュアルにするにしろ、ある程度きちんとするにしろ、事前にどのような服装で来てほしいか2人で話し合い、家族に伝えておきましょう。
無難な例としては男性はジャケット、女性は胸や肩を露出しないようなワンピースなどがありますが、たとえばジーンズやTシャツでも両家で合意しているのなら問題ありません。ただし、清潔感と少しの華やかさは忘れずに。ありのままの自分を知ってもらうのは先の機会にして、顔合わせでは少し特別感のある装いを選びましょう。

手土産

気まずい思いをしがちという意味では、手土産にも配慮が必要です。手土産の有無も、当人たちで事前によく相談し、互いの家族に伝えておきましょう。
それぞれの家族の好きなものや地元の名産品などを持参すると、家族の紹介や会話のきっかけにもなります。高価なものである必要はありませんので、何かしら用意するとよいでしょう。
結婚する当人たちからは、結婚式当日にそれぞれの両親に使ってもらえるお揃いのハンカチなどをプレゼントするのも素敵です。結婚式当日や今後の生活で使ってもらいたいものなどから、プレゼントを考えるのもアイデアです。

しおり

しおりは必ず用意しなければならないといったものではありませんが、近年の流行では遠足のしおりのような、プログラムなどを記した簡易的な冊子を用意するのが定番化しています。顔合わせで出される食事のメニューや結婚する当人たちの紹介、会話のきっかけとなるようなことを盛り込んでおくと顔合わせがより充実したものとなります。

会場

それぞれの居住地からのアクセスを考慮して選ぶことが多くなります。両家の中間点、女性側の実家エリア、高齢の親族が参加する場合はその親族にあわせるケースが多いようです。
結婚式を挙げる会場が決まっていれば、事前の会場見学を兼ねて結婚式会場で顔合わせをおこなうのもこともあります。
店側が協力的であるかどうかも大切なポイントです。具体的には不用意に会話を遮ったりすることがないか、こちらの要望を聞いてくれるかなど、サービスに関する口コミは事前にチェックするようにしましょう。料理の種類や個室の有無はもちろんのこと、結婚する当人たちの味方となって応援してくれるようなお店や会場がおすすめです。

料理

料理は両家同時に提供されるほうがスムーズです。和食、フランス料理など種類はお好みで決めて構いませんが、いずれにしてもコース料理がおすすめです。店にコース料理がない場合には、事前に料理の内容を決めておき、提供のタイミングをあわせてもらえるようお願いしておきましょう。
料亭やホテルの個室の場合にはお料理、飲み物、個室使用料などをあわせて一人2万円程度というプランも珍しくありません。しかしカジュアルなお店の場合には一人5千円〜1万円ほどが相場です。予算やそれぞれの家族の好みなどを考慮しながら料理やコースを選ぶようにしましょう。

支払い

料金を誰が支払うかも事前に決めておきたいことの一つです。折半するとしても、その場でお金を集めるのではなく、代表者(本人または男性側の父親など)が一旦支払い、後から当人同士で清算するのが一般的です。結婚全般に対して両親からの金銭的な援助がある場合にも、顔合わせは結婚する当人たちが両親を招待するスタイルをとることが多いでしょう。当人たちで家族分も支払う、両家で折半など、考え方はそれぞれです。ただ遠方から来るために交通費や宿泊費が必要な場合は、負担が偏らないよう配慮するケースもあります。いずれにしても当人を通して、家族と支払いについてしっかり話しあっておくことが大切です。

カジュアルな顔合わせの挨拶例

家族の紹介と同様、挨拶もアドリブではなく事前に用意しておきましょう。挨拶のメモを読む前や挨拶の途中で、自身の両親などと目をあわせると、初々しさが感じられて好印象。挨拶のメモは紹介文などと一緒にジャケットの内ポケットに入れておきましょう。

新郎が挨拶をする場合

集まっていただいたことへのお礼、婚約に際して、両家を互いに紹介することを手短に話しましょう。カジュアルな会であっても挨拶をきちんとすると、場が引き締まり、和やかに盛り上がることができます。
「本日は私たちのためにお集まりいただき、ありがとうございます。婚約に際して、両家の紹介と交流の機会を持ちたいと思い、お集まりいただきました。これを機に、○○家と△△家の絆が深まれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします」

新郎の親が挨拶をする場合

男性側の親が主催する場合には、親から始まりの挨拶をするようにしましょう。定番の挨拶は、「本日はご多用のところ、ありがとうございます。〇〇(男性名)と〇〇さん(女性名)の婚約が相整いまして、このような場を持つことができたことを大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします」といったものです。

まとめ

顔合わせのもととなっている「結納」は地域差がある上、家の格などによっても異なります。それぞれの家族で当たり前と思っているものに差があり、両家の「当たり前の違い」を実感する初めてのイベントともいえます。慎重にすりあわせをおこなっておかないと、両家のトラブルの原因となりかねません。
しかし相手を知ろうとする気持ちがあればこうした気遣いも難しいことはありません。結婚する当人たちが仲立ちと根回しをおこない、コミュニケーションをとることが大切です。
2人で互いの家族を思いやり、心を込めて準備を進めれば、家族みなが満足できる顔合わせとなることでしょう。両家の交流のきっかけとなるような素敵な会になるよう、工夫してみたくださいね。

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執筆者紹介

岡村奈奈(ウエディングプランナー)

音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆や監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホールなどでのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応するブライダル業界のトッププランナー。

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