【専門家執筆】子どもの発達に欠かせない「遊び」について知ろう。年齢別おすすめ遊びも紹介!

「子どもは遊びが仕事」「遊びは学び」といった言葉をよく耳にしますよね。まだ、はいはいもできないような生まれたばかりの赤ちゃんのうちから、子どもはずっと「遊び」を通して心と身体を発達させています。子どもにとって遊びは、食事や睡眠と同じように大切なものです。発達と遊びの関係について知ることで、子どもの興味をもっと理解できるようになります。子どもとの毎日をもっと楽しくする、年齢・月齢にあわせた遊びのコツもお伝えします。

ただ楽しいだけじゃない! 遊びってどうして大切なの?

心身を成長させる

手をじっと見つめる、大きく振ってみる、口に入れてみる、といった赤ちゃんの行動(遊び)を見たことがある人は多いと思います。
赤ちゃんや子どもは狭いところに入り込むことで身体の大きさを知ったり、縁石を歩くことを通して自分の身体の軸を感じるなど、成長発達にあわせた遊びを通して、自分の身体について学び、繰り返すことで全身の使い方、運動能力や体力を向上させます。
同時に、自分の感情やコントロールの仕方も遊びを通して知っていきます。たとえば、積み木を夢中で積んでいて楽しい、壊れて悔しくて泣き出す、しばらくすると泣き止んで、気持ちを切り替えて、また積み木を積んでいき、出来上がったときには達成感や自信を持つ、そういった一連の流れを繰り返すなかで、自分自身の感情を知り、その向きあい方や乗り越え方、自己肯定感などを育んでいきます。

好奇心、探究心、創造性を育む

赤ちゃんや子どもは遊びをとおして新しい物事に興味を持ち、さまざまな経験を通じて探求する力を身につけます。たとえば乳児期には、目の前にあるものをつかみたい、という好奇心を持ち、それを振ったり、口に入れたりしながら探究します。
幼児期のごっこ遊びでは、自分が知らない世界を想像し、再現することをとおして、その世界への探求心や創造性を高めることができます。また、工作や自然観察などの遊びを通じて、子どもは自分で考え、試行錯誤しながら答えを見つけるという創造のプロセスを経験します。好奇心を持ち、探究し、創造することで、自分以外の世界を理解していきます。

社会性やコミュニケーションスキルを身につける

社会性、コミュニケーションスキルも遊びを通して学んでいきます。乳児期には、一緒に遊んでくれたり、触れあってくれる大人と愛着(アタッチメント)を形成し、その大人を安全基地とし、さらに外の世界に挑戦することで、社会との関わりを深めていきます。幼児期になると、兄弟や友達とのケンカや物の取りあいなどのトラブルが増えてきますが、それも他者の心を理解したり、自分の思いをどう言葉で伝えるかなど、コミュニケーションスキルを高めるチャンスです。鬼ごっこやボードゲームなどのルールのある遊びをしたり、ときには自分たちでルールをつくって遊ぶことも、社会性をはぐくむ練習になります。

【月齢・年齢別】子どもの「発達段階 」とオススメの遊び

子どもの遊びは、発達段階ととても密接に関わっています。発達について知ると、繰り返し取り組んでいる遊びが、子どもの今の発達段階にぴったりの遊びだった、ということがよくあります。子どもの発達段階を学ぶことは、一緒に暮らす大人にとって、子どもを理解する一つの手段になります。一方で、子どもは一人ひとりの特性によって少しずつ個性を持って発達していきます。時期よりも、順番に積み重ねられているかのほうが重要ですので、下記を参考にしながらも、おおらかな気持ちで見守っていきたいですね。

0カ月~3カ月

発達

音や光に反応し、感覚を通して外界を知っていきます。身体を少し動かしたり、アーアー、ウーウーなどの声を出して、あやされると喜んだり、抱っこすると安心して泣き止んだりします。

遊び

この時期は、赤ちゃんの真似っこをして遊ぶのがおすすめです。目線をあわせたり、声を一緒に出したり、赤ちゃんが笑ったら大人も笑いかけたりします。身体のさまざまな場所にタッチしながら話しかける触れあい遊びも、赤ちゃんとの愛着形成にぴったりです。

3カ月~6カ月

発達

首が座ると、音や声のするほうに顔を向けるようになります。身近な人がわかるようになる時期で、愛着のある大人にあやされると声を出したり、笑かけたりするようになります。応答的な関わりのなかで、基本的信頼関係を結んでいきます。目の前のものをじっと見つめたり、動くものを目で追うようになります。手のひらに物を乗せると握りしめられるようになり、手や指を口に持っていって確かめ、少しずつ手と手、手と口が意図を持って動かせるようになります。うつ伏せの体勢を少しの時間取れるようになります。寝返りに挑戦する子もいます。

遊び

首が座ると自分の意志でさまざまな方向を向くようになります。さまざまな方向から声をかけてあげて、目があったら笑う、といった応答的な遊びは、愛着形成と、身体の発達の両方に効果的です。指やおもちゃを手に握らせてあげると、手指の運動につながります。短期記憶が発達するので、「いないいないばあ」も楽しめるようになります。音に反応をするようになるので、絵本の読み聞かせをスタートするにもよい時期です。擬音語や繰り返しの多い絵本、色や形がはっきりした絵本を好みます。

6カ月~1歳

発達

寝返り、ずりばい、はいはい、お座り、つかまり立ち、伝い歩きなど、活発に動き回るようになります。握る、離す、指先を使う、手渡すなど、手指が自由に使えるようになるとともに、さまざまな物を触ったり、口に入れたり、投げたりして、物の性質を理解しようとします。言葉を理解し、そのとおりに行動しようとします。発語が増え、意味のある言葉を話すようになります。指差しや発語で自分の意志を示して要求を伝えます。

遊び

動くことができるようになると、子どもは自分の「好き」に向かって行きます。よく観察して、子どもの好きを見つけ、興味関心を広げていく様子を見守りましょう。視線が高くなるので、つかまり立ちや伝い歩きを喜びますが、はいはいで身体の発達を促したい時期でもあるので、トンネルや段差をつくって一緒に楽しむのがおすすめです。ティッシュを引っ張り出したり、引き出しの中の物を出して投げたりと、手指の発達による「いたずら」もはじまります。やってほしくない場合には、手指が同じような動きをするおもちゃを代わりに渡してあげると、発達を促すことができます。また、自分の意志を示すようになってきたら、できる範囲で叶えてあげることで、「自分で! 」という気持ちが満たされます。

1歳

発達

つかまり立ちからよちよち歩きに移行し、1歳の終わりごろまでには歩行が安定し、不整地を歩いたり、補助があれば階段に挑戦したりと、行動範囲がグッと広がります。5本の手指がそれぞれ動かせるようになり、手と目の協応(同時に適切に動かすこと)も進み、握る、つかむ、つまむ、手首をかえす、ひねる、などの動作もできるようになります。1歳後半になると発語も盛んになり、大人の言葉や語尾を真似たりしながら言葉を覚えていきます。自分の意思をはっきり示せるようになり、友だちの真似をしたり、ものの取りあいをしたりと言った関わりも増えてきます。

遊び

身体を使った遊びが特に楽しい時期です。ボールを追いかけたり、まてまて遊びをしたり、歌にあわせて身体を動かしたりすることはもちろん、広い空間で歩き回ったり、階段や段差を登ったりするだけでも楽しめます。このような遊びを通して、身体のバランス感覚をはぐくみ、筋力を高め、体の使い方を学びます。外遊びをすると、生活リズムも整えられます。安全面での配慮が必要ですが、積極的に取り入れましょう。また、手先が器用になり、色や形の違いを認識することができるようになるため、簡単なパズルや積み木を楽しみます。つまみを回したり、蓋を回して開けたりといった動作を伴うおもちゃも手指の発達によいでしょう。身の回りの動物や生き物、乗り物などに興味を持ち始める時期でもあるので、絵本やおもちゃで遊びながらその名前を伝えることで、言語の発達にもつながっていきます。友だちと一緒にいることに慣れてきますが、ものの取りあいなどのトラブルも出てくる時期です。社会性がはぐくまれている場面でもあるので、見守ることも大切です。

2歳

発達

自分のイメージどおりに身体が動かせるようになってきて、そのことに楽しさを感じる時期です。走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張るというような全身の動作が巧みになってきます。言葉でのコミュニケーションが増えてくる一方で、自分の意志がより一層しっかりとし、思いどおりにならないときはかんしゃくを起こしたり頑固な行動をとることもありますが、よいこと、悪いことについても理解をしはじめます。おもちゃなどを別のものに見立てる象徴機能が発達し、見立て遊びを楽しみます。遊びの中心が、大人との関係から子ども同士へと移っていく時期でもあります。

遊び

ほかの子どもや大人と協力して遊ぶことを楽しむ時期なので、簡単な共同作業に挑戦してみるのがおすすめです。たとえば、積み木で一緒に大きな塔をつくる、簡単なおままごと、砂場でお山をつくるなどです。こういった遊びをとおして社会性やコミュニケーション能力を高めます。また、親子の共同作業は信頼関係を深めることにもつながります。

外遊びでは、縁石を歩いたり、排水溝を飛び越えたり、段差に登ったりと、自分でさまざまな動きを発見して遊びます。散歩などをしていても目的地に辿りつかない…ということが多くなりますが、散歩自体を目的にしてしまうと大人も楽しめます。ボールや三輪車、なわとびなど、道具を使った遊びも、遊びの幅を広げてくれます。

手指をよく使う遊びとしては、粘土遊びがおすすめです。こねたり、ちぎったり、つまんだりと、さまざまな指の動きを経験できます。言葉も含めた表現力がつく時期でもあるので、絵本や紙芝居など、想像の世界に浸る時間を大切にするのもよいでしょう。そこから見立て遊びやごっこ遊びに発展するなどして、想像の世界が広がります。音楽や歌からも想像、表現を広げるので、大人も一緒に踊ったり、歌ったりするとよいですね。

3歳

発達

言葉の使い方が急速に上達し、会話による意思疎通ができるようになります。それに伴い、「なんで? 」「どうして? 」といった知的好奇心からくる質問が増えてきます。また、基本的な身体能力も発達し、走ったりジャンプしたりすることがスムーズになっていきます。より自分の意志を示し、自己主張が強くなりますが、まだ自分の感情をコントロールするのが難しく、泣いたり怒ったりすることが頻繁に見られます。幼稚園などの集団に入る子どももいると思いますが、お友だちと一緒に遊ぶことが楽しくなってくるのは4歳に近づいてからです。お友だちとのコミュニケーションはまだまだ練習中です。見守ってあげてください。

遊び

身体の発達に伴って、バランス遊びが楽しくなってきます。ブランコや平均台、ケンケンパなどがおすすめです。手先が器用になり、危険も理解できるようになるので、ハサミを使いはじめるのもよいでしょう。ノリやカラフルな折り紙などを組みあわせると、工作遊びの世界が広がります。ブロックでなにかをつくったり、廃材などの身の回りのものを使って、見立て遊びを楽しみます。ごっこ遊びや鬼ごっこ、椅子取りゲームなどのルールのある遊びをとおして、お友だちとの遊びを学んでいきます。自分が鬼になったり、負けたりすると怒ったりすることもありますが、少しずつ楽しめるようになっていきます。このころからはじまる「なぜ? 」「どうして? 」に答えるのには図鑑がおすすめです。一緒に調べることで知的好奇心をはぐくみます。

4歳

発達

身体・運動能力、生活力、知能・理解力が急速に向上する時期です。運動能力が向上して複雑な動きができるようになります。体力もついて、長時間の外遊びも楽しめるようになります。数の概念を理解しはじめ、多い・少ないもわかるようになります。理解力も向上し、自分の経験や質問に答えられるようになりますが、まだまだ順序立てて話すのは難しい時期です。自己主張もまだまだ強いですが、集団の中で活発に遊ぶ姿が見られ、友だちとの関係を築いて自分をコントロールする姿が見えてきます。「恥ずかしい」という気持ちが芽生えるのもこのころです。

遊び

公園の遊具を使った遊びが楽しめる時期です。鉄棒、うんてい、登り棒、ネット遊具などに果敢に挑戦します。大人がひやっとする場面も増えますが、できる限り見守ってあげることで、危険とのつきあい方も学びます。歩ける距離が伸びるので、少し遠くに目標を置いて散歩をすることで、子どもにとっても自信につながります。言葉や数への興味もぐっと出てくるので、しりとりやトランプなど、簡単なゲームを大人や友だちと一緒に楽しめるようになります。絵の具など、道具を上手に扱えるようになってくるので、積極的にチャレンジしてみましょう。会話をしながらイメージを共有できるようになるので、ごっこ遊びもどんどん発展していきます。おままごとの道具はもちろん、身の回りのもので見立て遊びに使えるものを用意するとよいでしょう。だるまさんが転んだ、たかおに、かくれんぼ、中当てなどの簡単な集団遊びもルールを理解して楽しめるようになりますよ。

5歳

発達

難しい遊びに挑戦する姿が増えていきます。綱や棒を渡ったり、ボールを思った方向に投げたり蹴ったりできるようになってきます。幼稚園や保育園にいると一番上のお兄さんお姉さんになり、社会性や情緒の大きな成長がみられます。友達と協力したり、交互に遊んだりすることができるようになり、人間関係にも深まりが見られます。さらに、プライドや競争心も芽生え、相手を認めつつも頑張ったり、あきらめないなど、複雑な気持ちの変化を持ちます。自分のそれまでの経験から、相手の気持ちを想像できるようにもなります。そのような成長に伴って、友だち同士で話しあったり、作戦を立てたりすることができるようになってきます。また、数字や文字への興味がさらに進み、簡単な計算や、文字の読み書きを楽しむ子どもも出てきます。

遊び

友だちとの遊びが中心の時期になってきます。できるだけ自由に遊べる環境をつくってあげたいですね。目標を持って遊びに取り組む姿が出てくる時期でもあります。鉄棒や縄跳びの新しい技や、コマまわしなど、「上手になる」遊びに積極的にチャレンジしていきます。年長さんの発表会は劇遊びが多いように、子ども主体のごっこ遊びが、ストーリーを展開していくようになります。衣装や道具をつくるのに使えるものを用意しておくと、ごっこ遊びが発展しやすくなります。

文字への興味を引き出すには、お手紙ごっこがおすすめです。正確さよりも、伝えたい気持ちを大切にしましょう。自分たちでルールをつくって遊ぶことも増えてきます。大人から見ると「あれ? 」と思うルールもありますが、話しあってつくっていく練習をしている時期なので、その過程を一緒に楽しめるといいですね。

まとめ

今回は遊びと発達の関係に注目してご紹介してきました。年齢と発達はもちろん、経験によっても、遊びは日々変化していきます。一人ひとりの個性にあわせて発達していくので、目安として参考にしてください。発達の観点から見ると、子どもの今の姿が何につながっているのかを発見できるようになって、子どもと遊ぶのがグッと楽しくなりますよ。

日本では、1994年に批准をした子どもの権利条約の第31条で、子どもの「遊ぶ権利」を保証されています。今回は発達を軸にご紹介しましたが、たとえばマイナスな気持ちを昇華したり、自分をリラックスさせたり、ストレスを解消したりと、0歳の赤ちゃんから18歳にいたるまで、もっと言えば大人になっても、「遊び」はさまざまな役割を持っています。特に乳幼児期は、大人によってその「遊び」が制限されてしまいがちです。子どもたちの健やかな育ちのために、遊びの大切さを見直してもらえたら嬉しいです。

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執筆者紹介

相原里紗(保育士)

早稲田大学国際教養学部卒。(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。「とかいっこをのあそびっこに」をコンセプトに、親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」で街中や里山での野遊びイベントを開催している。その他親子向けイベントを多数企画・運営。育児・保育に関連するライティングなど、多方面で活動中。スノーボード、山登り、キャンプ、フェス…野遊びが大好きな0歳男児の母。

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