妊娠中、「子育てのことよりもまずは出産が不安」という妊婦さんは多いものです。
そんな方におすすめなのが「バースプラン」です。バースプランとは、出産についての希望を分娩施設などに伝えるためのものです。赤ちゃんや家族とどんなふうに過ごしたいか、陣痛が始まったり、緊急の場合にはどうするかなど、計画を立てることでより自分の希望が具体的になります。
この記事では専門家として、また先輩ママの実体験としてのアドバイスなどに加え、面白いアイディアもご紹介します。
目次
面白いバースプランにするメリットは?
バースプランについて考える際には、まずは「どのように赤ちゃんを迎えてあげたいか」「自身が心地よいことや好きなことは何か」を考え、自分らしく面白いバースプランを立ててみるとよいと思います。
バースプランについて調べると、出産の際の処置についての希望や育児方針といった、やや難しい内容が多いようです。こういった内容も大切ですが、場合によってはたくさんの難しい情報に触れることで不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。
きちんと考えようとして、不安になったり切羽詰まった気持ちになってしまっては本末転倒です。楽しく想像をふくらませて、自分らしく面白いバースプランを立てていくと、赤ちゃんに会うのがより待ち遠しくなってくるはず。「バースプランは出産がより楽しみになるために考えるもの」という本来の目的を、忘れないでくださいね。
面白いバースプランのアイデア12選
それでは、実際に私が考えたものや妊婦さんからお聞きしたことのある面白いバースプランのアイディアについて紹介していきます。私が立ち会った分娩では、事前に妊婦さんのご希望を書いていただいていましたので、その例もご紹介します。
好きな音楽を流したい
大変多い要望の一つに、「好きな音楽を流して過ごしたい!」というリクエストがあります。
特に分娩施設では、部屋やタイミングによってはほかの方の分娩と重なり、頑張る産婦さんの声やスタッフの声が気になることがあるかもしれません。
また、医療機器の音が気になる方もいらっしゃいます。ご自身の好きな曲をかけて気分を盛り上げていく、またはリラックスするといったことは出産においてとても大切です。
分娩施設によっては、スピーカーやオーディオ機器の準備がある場合もあるのでご利用の分娩施設に確認してみましょう。
陣痛中はこの人と過ごしたい
陣痛の時間の長さは人それぞれです。あっという間に進む方も、数日間かかる方もいます。そのときに一緒に過ごしてほしいのは誰か? についてももしかすると、自分と赤ちゃんの二人きりで頑張りたい方もいるかもしれませんね。
陣痛中はいつもとは違う自分になることも多いものです。陣痛の時間を誰と過ごしたいか、その方が「サポートしたい!」と思ってくれているかしっかりと確認しましょう。
そしてどのようなサポートをしてほしいかについても考えておくとよいですね。
希望する形で応援されたい
出産時に立ち会う助産師などからどのような声かけをされたいかを、バースプランに入れておくのもよいでしょう。
私の経験上、ほとんどの妊婦さんが「優しく励ましてほしい」といった内容のバースプランをご希望なさいますが、なかには「できるだけ厳しく、はっきりと叱ってもらって大丈夫です」と書いている方もいらっしゃいました。
出産後にその方にお話を聞くと、ご自身の性格からすると、「優しくされるほうが甘えてしまって頑張れないので、厳しく教えてもらえるほうがいいと思った」とおっしゃっていました。分娩進行中にどのような声掛けをされたいか、ご自身のご希望を考えてみるとよいでしょう。
絵を描きたい

「陣痛中に赤富士を描きたい」というバースプランを立てる方も、一定数いらっしゃいます。
これは、陣痛中に赤いペンで描いた富士山の絵をプレゼントすると、プレゼントされた方の子宝祈願や安産祈願になるというジンクスがあるからだそうです。
ただし、実際に赤富士を描きたい方は注意が必要です。通常、陣痛は分娩が進行するにしたがって強くなり、痛みと痛みの間隔も短くなっていきます。そのため赤富士の絵は、早めに完成させることをおすすめします。
お風呂に入りたい
陣痛中にはできるだけリラックスすることが大切です。「リラックス」といわれると、まずお風呂が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
多くの分娩施設では浴槽の準備がありません。出産後は湯船に浸かることができないため、分娩施設には必要ない設備だからです。
分娩施設でお風呂を使いたい場合は、そういった準備が可能かどうか確認してみましょう。足湯だったら用意できるといった施設もあるかもしれません。
確実なのは、ご自宅でお風呂を済ませておくことです。ただし、分娩直前のお風呂には注意が必要です。お産は体が温まると進むからです。そのため事前に出産前に入浴したいというバースプランを伝え、注意点や分娩進行状況の確認の仕方などを、必ず分娩施設のスタッフに相談するようにしましょう。
フリースタイル分娩をしたい
いわゆる分娩台での足を開いた状態での出産ではなく、好きな姿勢での出産を希望される方もいらっしゃいます。このような出産を「フリースタイル分娩」といいますが、それぞれの姿勢にお産の進みやすさや、分娩時の医療介入のしやすさなどメリットやデメリットがあります。そのためフリースタイル分娩は分娩施設のスタッフと相談しながらおこないましょう。
また陣痛中はお好みの姿勢で過ごすことができます。出産まで積極的に体を動かして赤ちゃんが進んでくるのを手伝ってあげましょう。同じ姿勢ばかりではなく、さまざまな姿勢で過ごすとお産は進みやすいです。
進行具合を知りたい
陣痛中はゴールが見えない苦しい道を、進んでいくような感覚に陥りやすいものです。「お産の状況を把握できるほうが先の見通しがわかって安心する」といった方もいらっしゃいます。このような方は進行状況を細かく教えてもらいたいことを事前に伝えて、頑張りましょう。
なかなか陣痛が強くならなかったり、分娩が進まない場合もありますが、そのときは次の段階に進み出すまでのパワーを溜めている時間です。このようにお産は緩急つけながら進んでいくことのほうが多いようです。
一方で、お産の進行状況を把握し過ぎると、「先が長くて心が折れそうだ」と思う方は、あまり進行状況を聞かないようにするほうがよいかもしれません。
写真や動画におさめたい
一生に何度もない機会なので、写真や動画で記録に残しておきたいという方も非常に多いです。陣痛中の姿も残したいのか、産まれる瞬間はママも映したいのか、赤ちゃんだけがいいのかなど、具体的にどのようなシーンを残したいかも考えておきましょう。
施設によっては撮影自体が禁止されている場合もあります。撮影をご希望の方は事前に確認しておくようにしましょう。またバッテリー不足や操作方法がわからずにタイミングを逃してしまった方も今までお見かけしましたので、事前準備はしっかりおこなうようにしましょう。
赤ちゃんを自分で取り上げたい
スタッフにサポートされながらご自身で赤ちゃんを取り上げて、そのまま胸に抱っこされる方も多くいらっしゃいます。
「そんなことできるの?! 」と思う方もいるかもしれませんが、無痛分娩かどうかにかかわらず、多くのママたちがご自身で取り上げられました。
また、そこまではできなくても「頭が出てくるところを鏡で見ながら産みたい」「産まれる前に頭をなでてみたい」といったママもいらっしゃいましたので、赤ちゃんの取り上げ方についてもぜひ検討してみてくださいね。
カンガルーケアがしたい
カンガルーケアとは、出産直後に肌と肌をあわせて抱っこをすることです。
赤ちゃんはママの胸で抱っこされると安心して泣き止みます。そして呼吸が落ち着いて静かにまどろみます。時々、目を開いてママを見つめたり、手や口を動かして、おっぱいを探し始めることもあります。カンガルーケアは多くの施設でおこなっていますが、その時間やタイミングは施設によって異なります。
また施設によって、パパもカンガルーケアが可能、ママパパ以外の抱っこが禁止などルールが異なりますので事前に確認しておくとよいでしょう。
へその緒を切りたい、胎盤を見たい
へその緒は胎盤と赤ちゃんをつなげ酸素や栄養を運搬するものです。出産後赤ちゃんは自分で呼吸を始めるためへその緒は不要となります。
胎盤は排出され、へその緒は切ることになります。へその緒を切るタイミングや誰が切るかを選択できる施設もありますので事前に相談してみましょう。
またほとんどのママが排出された胎盤を見てみたいと話されます。赤ちゃんを10カ月間育ててくれた胎盤、ぜひご覧になってみてください。
予定外の帝王切開の場合についても考えておく
上述したバースプランは、経膣分娩をベースに考えてみました。もちろん無痛分娩や帝王切開でもバースプランを考えることは可能です。
また、予定帝王切開ではない方でも10人に一人程度が緊急帝王切開となります。バースプランを考える際には、帝王切開となった場合の希望ついても考えてみましょう。
帝王切開の場合のバースプランを立てるために、まずは帝王切開の流れを知ることが大切です。必ずご家族揃って帝王切開の場合について考えてみましょう。
まとめ
バースプランの立て方や内容には決まりがあるわけではありません。
今回ご紹介したもの以外にも「こんなことがしたい!」といった気持ちを分娩施設のスタッフにたくさん伝えてコミュニケーションをとってもらいたいと思います。
バースプランについてお伝えしておきたいのは、「プラン通りにできることが目標ではない」ということです。出産は何が起こるか分かりません。思い描いていたバースプラン通りにならないこともありますが、大切なことは赤ちゃんとママが元気で産後を迎えられることであるのを忘れないようにしてください。
赤ちゃんをどのように迎えたいのか。バースプランを立てることで自分の考えや気持ちを整理することができます。楽しいバースプラン作りを通じて、出産を楽しみに迎えられるよう応援しています。
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