【専門家執筆】結婚指輪は分割・ローンで買うのはOK?支払い方法や注意点について解説

ウェディングドレスやブライダルグッズなど、結婚にはお金がかかるといったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。最近では結婚式や新婚旅行については、「しない」または「時期をずらして出費を分散させる」といった方も珍しくありません。一方で、結婚の証であり、実感の象徴でもあるのが結婚指輪です。この出費は必須と考える夫婦が多いようです。今回は、結婚指輪の支払い方法や分割払いの際の注意点について解説します。

結婚指輪は高額

結婚指輪の購入金額の平均は2人で約28万円といった調査結果があります。誰もが簡単に支払える金額ではありませんが、価格を理由に結婚指輪を諦めたといった話はあまり聞きません。では、どのように購入しているのでしょうか。

一般的に結婚指輪を扱う店舗では、現金、クレジットカード、バーコード、電子マネー、ショッピングクレジット、デビットカード、銀行振込など、さまざまな支払い方法が用意されています。支払いのタイミングは、オーダーの場合には注文時、商品を受け取る前がほとんどです。

しかし、クレジットカード払いの場合は、ボーナス払いや分割払いなど、支払うタイミングを柔軟に調整することができます。一方で、クレジットカードの分割払いにはいくつかの注意点があります。そこで、ここからは結婚指輪の分割払いについて解説していきます。

参考:ゼクシィ「ゼクシィ結婚トレンド調査 2023」

結婚指輪の分割払いについて

結婚指輪の分割払いを申し出ることを恥ずかしいと思う必要はありません。長く身につけるものですから、支払い方法について、相談に乗ってくれる店舗も多いはずです。まずは店舗の担当者にほかの人はどのようにしているのか、どのような支払い方法があるのか、率直に相談してみましょう。

分割払いは可能?

分割払い自体はほとんどの場合で可能です。ただしカード会社や契約などによって異なるので、利用可能な支払い方法についてはWebサイトなどで確認するとよいでしょう。また、こうしたカードの利用範囲については、店舗での確認ができないことも多いので注意が必要です。さらに、カードの分割払い、リボ払い、店舗のショッピングローンといった支払い方法ごとに、金利・手数料が異なります。
そのため、分割払いを視野に入れているのであれば、それぞれの店舗が対応している支払い方法を確認したうえで購入先を検討するといった方法がおすすめです。

分割払いの割合は?

30〜40万円が相場とされる「婚約指輪」の主払い方法は、90%以上の方が現金、クレジットカードの1回払いを選択しています。また、2回以上の分割払いは5.6%です。

支払い方法の割合は、10〜20万円が相場とされる「結婚指輪」も同じような割合になるのではないでしょうか。もちろん手数料がかからない方法を選びたいところではありますが、ある程度の割合の方が分割払いで購入しているという事実は、結婚指輪の購入に踏みきれないカップルにとっては後押しになるのかもしれません。

参考:ゼクシィ「婚約指輪は6割がクレカ払い。ローンや分割払いは?支払い方法と注意点を解説」

分割払いは恥ずかしい?

「結婚して所帯を持つということは経済的にも自立したと証明すること」「結婚指輪や新生活に関するものは気前よく買うべき」といったイメージを持っている人はいまだに多いように感じます。もちろん、結婚相手や親などからそうした振る舞いを期待されている場合などには、考慮すべき事情といえるかもしれません。

しかし、そうした事情を除けば「気にする必要なし! 分割払いを恥ずかしいことと思うのはナンセンス」というのが筆者の考えです。また、もし店頭で申し出ることに抵抗を感じる場合には、オンラインで購入、決済するということも可能です。

クレジットカードがない場合

信販会社と提携している店舗であれば、クレジットカードを持っていなくてもショッピングローンの利用が可能です。ショッピングローンでは銀行口座からの引き落としといった形での分割払いができます。「分割回数によっては手数料がかからない」といった買い手にやさしいプランも多いので、まずは一度、店舗での取り扱いがあるか確認してみましょう。

分割払いの注意点

結婚指輪だけでなく、引越や家具家電、結婚式など、結婚にともなう出費はいずれも高額です。そのため、結婚準備がはじめての大きな買い物や分割払いとなる人も多いと思います。ここでは、手数料や金利など、はじめての分割払いの前に知っておきたい注意点をおさらいしていきます。

金利に注意

一口に分割払いといっても、金利・手数料がかかる場合とかからない場合があります。一般的に、2回払いは金利なしで、3回払い以上だと金利がつくことが多いようです。金利・手数料は会社や回数などにより幅がありますが、一般的に10〜15%程度です。分割回数を増やすほど手数料がかかるため、なるべく回数は少なく設定できるとよいでしょう。

リボ払いやショッピングローンの場合にも同様に、金利・手数料がかかります。
そのため、合計の支払額をおさえたいか、1回あたりの引き落とし額をおさえたいか、など自分たちの生活や収入のタイミングにあった支払い計画をイメージすることが大切です。

リボ払いにはしない

分割払いと似て見えるものの、手数料の負担が大きくなりがちなのが「リボ払い」です。「リボルビング払い」の略で、利用金額にかかわらず、毎月の支払金額が一定になる仕組みです。

毎月○万円ずつ支払うといったように、月々の支払金額を自分で設定できることがメリットですが、支払い回数が多くなるほど金利の負担が大きくなるため、結婚指輪の購入にはおすすめしません。

ほかに「ボーナス払い」とは、クレジットカードのご利用料金を翌ボーナス時期に一括して支払う方法のことで、手数料がかからないのが一般的です。もしボーナスが支給されない勤務先であっても、夏と冬のボーナス時期までに自らの貯蓄で支払うこともできるので、すぐにまとまった金額が用意できない場合の方法としても有効です。

あとから支払い方法を変更できない

指輪はほとんどがオーダー商品のため、基本的に申し込み後のキャンセルはできません。また、支払い方法の変更もできないものと心得ておきましょう。

ただし、カード会社のマイページなどで「あとから分割」などに変更できる場合もあるので、自分の契約やカードの特徴をわかっておくと安心です。カードやショッピングローンの引き落とし日もそれぞれなので、給与日やほかの引き落としと重ならないかなど、確認するようにしましょう。

利用限度額に注意

クレジットカードには限度額が設けられていて、上限を超えると利用できなくなります。契約時の初期設定のままにしている人がほとんどで、限度額を把握していないということも珍しくありません。

そのため、結婚式などで支払いが重なる時期に不意に「カードが使えなくなった」と慌ててしまうこともあります。限度額は変更できるので、使用予定がある場合にはあらかじめ設定しておくとよいです。複数のカードを所有している場合には、どのカードをなにで使って、いつ、いくら引き落とされるのかがわかるように管理しましょう。

縁起を気にする人もいる

結婚は昔から「縁起」を重んじます。「分ける・割る」は忌み言葉と呼ばれ、結婚に関しては別れることを連想するような、これらの言葉は避けるべきものといわれてきました。そのような理由から、分割払いという言葉に抵抗を感じる人もいるかもしれません。

ただ、クレジットカードやショッピングローンという新しい仕組みは、縁起とはまったく異なるところで生まれたもののため、過度に気にする必要はないと思います。また、「支払い方法」よりも「気に入った指輪を選ぶこと」を大切にすべきではないでしょうか。

結婚指輪を分割払いしたくない場合

結婚指輪の支払い方法が充実している今日でも、「分割払いはよくない」といった意見は根強いです。理由としては「一括で買うべきだ」「毎日身につけるものだから購入した瞬間から未払いを残さず堂々と自分の所有物だと思いたい」などさまざまなものがあります。ここでは、分割払いをしたくない場合にできることを解説していきます。

結婚指輪を見直す

結婚指輪の金額、相場感は、あまり知られていないと思います。プレーンなデザインで、誰もがつけているといった印象から、もっと低価格だと思っていたという声も多いです。婚約指輪のように、「結婚指輪は2人分を男性が買うものだと思っていた」といった方もいました。

実際、価格帯や誰が買うのかについては人それぞれです。ただ、事前にイメージしていた予算とあわないような場合には、デザインや素材、ブランドなど見直すのも一つの方法といえます。試着をしてつけ心地を確認するなど、カタログだけではわからないポイントも考慮しながら、予算にあう、満足感の高い指輪を探してみましょう。

挙式の費用を抑える

結婚指輪の予算がオーバーする場合、指輪ではなく、それ以外の出費をおさえるといった方法もあります。結婚指輪は毎日身につけるものですから、諦めたような感覚が残るのはおすすめできません。新生活や結婚式の費用をトータルで考え、予算配分を見直してみましょう。

たとえば、結婚式で「指輪交換」は欠かせませんが、リングピローではなく、指輪のケースを使うのも素敵です。気に入ったショップのケースであれば、むしろ写真に残るのは嬉しいことですし、指輪交換の際に選んだエピソードを紹介するのもおすすめです。

また、こだわった指輪ですから、結婚証明書など、ほかのアイテムを増やすのではなく「サプライズリングセレモニー」や「リングリレー」といった指輪にまつわる演出を取り入れるのも素敵ですね。実際、アイテムを増やす場合に比べて、数万円の節約になることもあります。「おさえる」「削る」ではない、ポジティブな予算のあて方を見つけていきましょう。

まとめ

今回は支払い方法や金利・手数料について解説しました。結婚指輪は、それぞれが妥協なく、最高の選択をしたと胸を張れるものを選んでほしいと思います。今後の生活の準備にもなりますので、お2人が納得して選択することを大切にしてみてくださいね。
また短期間で出費が集中するので、無理のないよう、よく話しあって、素敵な指輪を手に入れてください!永遠を表す指輪の円のように、お2人の結婚が末長く幸せなものになるように願っております。

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●執筆者紹介
岡村奈奈(ウエディングプランナー)
音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆や監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホールなどでのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応するブライダル業界のトッププランナー。

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